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進化したショートカットをApple本社で実際に試したら、次世代Apple Intelligenceで一番期待できる機能だった

「ショートカットを説明」で自然言語から自動生成。iPad・Mac・iPhoneを触って分かった、挫折せずに使えるようになった理由

忙しい人のための3行まとめ
  • 新機能「ショートカットを説明」は、自然言語で説明するだけで次世代Apple Intelligenceが手順を自動で組み立てる
  • iPad・Mac・iPhoneの3ステーションで実機を試し、トリッキーな指示にも初代ベータで想定通り動作した
  • デベロッパ向けは本日提供開始、パブリックベータは来月、一般提供は秋。日本語対応はもう少し先

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今回の次世代Apple Intelligenceの新機能のなかで、僕が特に注目しているのがショートカットアプリだ。やりたいことを言葉で伝えるだけで、必要な手順をApple Intelligenceが勝手に組み立ててくれる新機能「ショートカットを説明」(Describe a Shortcut)が加わり、その進化ぶりがとにかく大きい。

そもそもショートカットアプリは、僕自身ずっと「使いたい」という思いが強かったし、同じように感じている人は周りにも結構いる。いろいろなことを自動化できるし、オートメーションを組んでおけば自分が意識しなくても勝手に実行してくれる。便利な使い方がたくさんあるアプリだ。

ただ、みんなが口を揃えて言うのが「使いたいんだけど難しい」「うまく設定できない」という不満だ。やりたいことはあるのに、そこに至るまでに何かしらの理由で挫折してしまう。思ったように作れなかったり、組んだトリガーや実行したショートカットがどこにあるのか分からなかったりと、つまずきどころが多かったのだ。

その壁が、今回ごっそりなくなった。Appleによると、ショートカットはユーザーの説明を受け取り、本人の代わりに必要な手順を組み立てられるようになる。後から微調整や追加が必要になっても、その変更を言葉で説明するだけでショートカットアプリが調整してくれるという。

ここでいちばん大事なのは、ユーザーが「AIを使っている」と意識しなくていいという点だと思う。実際に裏側で働いているのはAIだが、それを使いこなしている感覚を持たずに、難しいところを全部肩代わりしてもらえる。今回、Apple本社で開かれたデモ体験会で実機を試す機会に恵まれたので、現場で見て、聞いて、試したことを交えながら紹介していきたい。

iPad、Mac、iPhoneで実際に触ってきた

Apple本社の体験会はiPad、Mac、iPhoneの3つのステーションに分かれており、それぞれ代表的な使い方を実機で試せる構成になっていた。現地で説明にあたった担当者が「ロボットみたいに打ち込む必要はない、自分の言葉で打てばいい」と繰り返していたのが印象的だった。

iPad:Magic Keyboard接続でSplit Viewを自動展開

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iPadのデモでは「SafariとメモをSplit Viewで開く」というプロンプトを入力したところ、「Open Safari Note」という名前のショートカットが自動で生成された。さらに「キーボードを接続したら実行して」と書き足すと、ショートカット名まで「キーボード接続時に〜」と自動で更新されていく。それも、話し言葉のような自然な言葉遣いで、しっかりと理解してくれる。

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今年の新要素として、Magic Keyboardの接続をオートメーションのトリガーにできる点が挙げられていた。金曜にiPadを取り外してソファでくつろぎ、月曜の朝にまたキーボードへつなぐと、いつもの作業画面が一発で立ち上がる、という体験はなかなか気持ちいい。

Apple Pencilのスクイーズで任意のショートカットを起動できるようになった点や、メモの先頭に追記する新アクションも、iPadならではの強化として紹介されていた。

ここで僕が現地で「複数のMagic Keyboardを見分けられるのか」と質問したところ、Magic Keyboard自体は固有のペアリングを持たず「どのMagic Keyboardでも反応する」との回答だった。ただしBluetoothアクセサリのトリガーを使えば、特定のAirPodsのように個別のデバイスを名前で指定できるそうだ。

Mac:あえて曖昧な指示を投げてみる

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Macのデモは「次の会議の内容と、今日中にやるべきことを、楽しい感じの数文でまとめて」という、わざと曖昧で主観的な指示だった。「楽しい感じ」なんて言葉をプロンプトに打ち込むことはなかなかないが、ここがミソだ。

ショートカットは「会議=カレンダー」「今日やること=今日が期限で未完了のリマインダー」ときちんと文脈を読み取り、どのカレンダーを使うかといったフォローアップの質問まで返してきた。さらに「見出しと箇条書きをいい感じに付けて」と追記すると、大きな見出しや絵文字を添えた、ぐっと読みやすいレイアウトに化けた。

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特に感心したのは、ショートカット自身がApple Intelligenceの使いどころと適切なモデルを判断する点だ。オフラインで処理すべき場面ではオンデバイスモデルを使い、入力内容にもとづいて推論に必要なプロンプトを自動で書いてくれる。Web上のニュースなど広い世界知識を参照したり、「最初に手をつけるべき最重要タスクは?」と追加で問いかけたりと、対話的な使い方もできた。

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「最も重要なタスクは?」

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「優先度はないよ、夜中までにやるべきリストはこれだよ」とのこと

iPhone:翌日の予定に合わせてアラームを自動セット

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iPhoneでは「毎晩実行し、翌日の最初の会議の2時間前にアラームをセットする」ショートカットを試した。カレンダーと時計をまたぐアクションに加え、時刻ベースのオートメーションを含む実用的な一例だ。

生成が終わると「Set Meeting Alarm」のように、内容に沿った名前が自動で付くのも気が利いている。データへのアクセスは初回だけ許可を求める設計で、一度許可すれば次からは聞かれない。プライバシー面の作法もきちんと押さえられている。

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オートメーションが同期する。そして「全デバイス問題」

今年の地味だが大きな変更が、オートメーションの設定がショートカット自体の一部としてデバイス間で同期されることだ。これまで何度も要望が上がっていた部分だという。

おかげで、作ったショートカットを誰かに共有しても、相手はオートメーションを一から設定し直す必要がなくなる。カレンダーやメールとの接続をカスタマイズしたいときも、「ショートカットを説明」を使えばいい。共有のハードルがぐっと下がった格好だ。

一方で、現地で僕が気になったのは、時刻ベースの自動実行が手持ちの全デバイスで一斉に発火しないか、という懸念だった。日本の地震速報じゃないが、複数の端末から同時にアラームが鳴り出したらたまったものではない。

この点をその場で担当者に尋ねたところ、「デバイスを判定するロジックがある」「デバイス固有の処理は機能する」とされつつも、アラーム重複のような具体的なケースは明言を避け、「ベータで実際に試してほしい」との回答だった。ニッチだが、検証する価値はありそうだ。

なお「ショートカットを説明」で生成したものも、エディタに入って手作業でロジックを調整できる。これほど簡単に作るのであれば、ショートカットアプリ内のショートカット数が膨大になるのは目に見えている。自然言語でざっくり作り、細部は手で詰める、という併用ができるのはありがたい。

「ナードの遊び」が、みんなの道具になる

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現地の担当者が「これまではナード(マニア)の遊びだったが、ショートカットを説明のおかげで、ナードじゃない人にも作れるようになった」と話していたのが、今回の進化を端的に表していると思う。

世の中で使われているAIの多くは、「ここが不便だ」「もっと使いやすくならないか」と感じた人が、あれこれ工夫を凝らして自分用に最適化していくものだ。だが、その「自分用に最適化する」という行為そのものが、普通の人にとってはとてつもなくハードルが高い

ショートカットアプリは、基本的にMac、iPhone、iPadというApple製品に最初から入っている。これまで自分でああだこうだと組み立てないといけなかったところを、「これこれこうしたい」と自然言語で語りかけるだけで、製品の側が「じゃあこういうのはどうですか」と作ってくれる。これは本当に画期的で、個人的には劇的な変化をもたらすと思っている。

実際、Apple本社で試した際は、なるべくトリッキーで「これは引っかからないだろう」という内容をあえて考えて投げてみたのだが、どれもしっかり実行してくれて舌を巻いた。スクリーンショットを撮ったとき、特定アプリから通知が届いたときなど、新しいオートメーションのトリガーも増えており、初代ベータという状態でここまで想定通りに動くのは素直にすごい。

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キーボードを繋いだら「ウインドウ表示アプリ」がオンになるようにしてみた

定期的にSNSでバズっている「充電を始めたらライトセーバーの音を鳴らす」なんて遊びもサッと作れてしまう。そういう肩の力が抜けた楽しさと、仕事を効率化する実用性が地続きになっているのが、今回のショートカットの一番の魅力だと感じた。

Appleが目指す「寄り添うAI」の本命

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昨年のApple Intelligenceから一貫して、Appleが目指すAIはユーザー自身に寄り添う形だと僕は捉えている。それを踏まえると、今回のショートカットアプリはまさにその思想の本命だ。

ユーザーに難しいことを求めず、不便を解消し、使い勝手を底上げしてくれる。細かく自分好みにチューニングできるポテンシャルはもともと持っていたが、それを実現するハードルが一気にぐっと下がった。この点に、僕はかなり期待している。

あいにく日本語対応はもう少し先になるので、そこは正直もどかしい。ぜひとも日本語で使い倒したいし、英語版を試せる人はガンガン触って、日々の小さな不便や面倒を片っ端から潰してみてほしい。Apple本社で実際に触れて、今後がさらに楽しみになった、いい進化だ。


これらの新機能は、本日よりApple Developer Programを通じてテスト用に提供を開始している。Appleによると、来月にはApple Beta Software Programを通じてパブリックベータが公開され、一般ユーザーへは秋にiOS 27iPadOS 27macOS 27watchOS 27visionOS 27の一部として提供される。

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公開情報
更新日2026年06月11日
執筆者g.O.R.i
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