小山真人(静岡大学教育学部総合科学教室) 災害の規模・発生頻度・立ち上がり時間の3つから自然災害全体を考えることによって,低頻度巨大災害(破局災害)とその代表格である破局噴火の位置づけを明確にできる.火山小説「死都日本」は,想像を絶する破局噴火のクライシスを疑似体験できるだけでなく,破局噴火のリスクとベネフィットをバランスよく学ぶことができる得がたい教材であり,これを端緒とした研究・防災戦略や学校・市民教育が議論・実践されていくべきである. 1.自然災害の全体像と破局噴火 一般に,自然災害は大規模なものほど発生頻度が小さい.このため学問的な事実として知られていても,その対策どころか社会的認知すらなされていない巨大災害が存在する.このことを理解するために,まず自然災害全体を見通して考えてみよう(図1). 図1の横軸は災害の頻度をあらわすが,上述した通り規模の大きな災害ほど頻度が小さいので,横

