6月下旬、ドイツを記録的な熱波が襲い、国内観測史上最高となる41.8℃が観測された。救急出動や交通インフラの被害が相次ぎ、冷房需要の急増で卸電力価格は一時、正午の約6.6倍に跳ね上がった。なぜ「環境先進国」とされてきたドイツは、ここまで暑さに脆弱だったのか。政治学者で、群馬県立女子大学非常勤講師の伊藤隆太さんは「背景には、脱原発、ロシア産ガスという安全弁の喪失、そしてエアコン不足という“3つの安全網”の薄さがある」と指摘する――。 41.8℃が暴いた「環境先進国」の急所 41.8℃。この数字は、環境先進国とみられてきたドイツの安全網の薄さを浮かび上がらせた。 6月29日にドイツ気象局(DWD)が公表した月間概況によれば、6月27日、ドイツ中部のザクセン=アンハルト州の観測所ドリューヴィッツでドイツ国内の観測史上最高値の41.8℃を観測した。翌28日にはブランデンブルク州コッシェンでも41.

