
推論コードの高速化、ヒューリスティックの設計、数理的な構成の探索。世の中には、正解が用意されておらず、試行錯誤だけが前進の手段になる仕事があります。こうした答えのない問題をコーディングエージェントに任せて、一晩走らせたとします。朝コミットログを開くと、数百件の変更が並んでいます。ところが中身をよく見ると、最初の1時間で選んだ方針の細かな調整ばかりで、別のアプローチを試した形跡がありません。スコアは伸び悩んだまま、計算資源だけが消費されている。身に覚えはありませんか?
長時間動くエージェントには、有望に見えた最初の一手に固執し続ける癖があります。原因はモデルの能力ではなく、エージェントを走らせる仕組みの側、いわゆるハーネスの設計にあると指摘する研究が登場しました。文脈の持たせ方とコードの管理方法を変えるだけで、答えのない問題に対する探索の幅は大きく変わるといいます。本当でしょうか?
本記事では、その設計の考え方と、エージェントを群れとして走らせる具体的な仕組みを紹介します。あわせて、この方法論を手元の環境で試せるように作成したスキルファイル一式にも触れます。すぐ使えるのがスキルのいいところです。ただし、今回のスキルは上級者向けかもしれません。